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塩竈市 被災地支援レポート(3)~4月30日午前~

塩竃市 被災地支援レポート(3)

<4月30日午前>
午前8時半からミーティング開始。
前日の支援状況の報告と、今日の支援場所・内容の確認をしました。
私たちが向かうのは近くにある避難所。

行動を共にするチームには、全国から集まった医師、看護師、薬剤師、
リハビリ、介護福祉士、医療事務、医学生、高校生の方々がいました。
それぞれ所属の都道府県・職種・氏名を書いたネームプレートを着用し、
私はそこに「音楽療法士」と明記しました。

詳しい支援内容が伝えられました。

医師と看護師は、医療相談ブース担当と回診担当にわかれて往診。
薬剤師とリハビリチームは、あらかじめフォローが必要との
申し送りがあった方に対する服薬チェックや訪問リハの実施。
それ以外のメンバーは足浴チームとして、希望される方への足浴を行うことになりました。

私も一旦足浴チームに配属されましたが、キーボードと歌集を持参することにしました。
同じ避難所を訪問する皆さんからも「ぜひ音楽をやって欲しい」と
声をかけていただきました。

午前9時すぎ、避難所である文化施設に到着。
大小のホールに避難された皆さんが寝泊りをしていて、
ロビーにはテレビが一台置いてありました。

代表者が施設の事務局の方とご挨拶をし、
医療相談ブースや足浴ブースの設置を開始しました。
医療相談と足浴の存在は、館内放送で避難者の方々に案内されました。

足浴はこれまでにも行っており、
準備の段階から二人ほど順番待ちをされていました。
シートを敷き、椅子とおけを置き、お湯や水の準備を行いました。

午前9時半、準備がととのい足浴開始。
一度に3人の方が足浴できるように作ったブースの最初のお客様は、女性2名と男性1名。
いずれも50~60代ほどの方でした。

この日足浴チームの人数は15名ほど。
足浴を行う人、肩のマッサージを行う人、お湯を運ぶ人など役割分担をして、
次々と足浴を行いました。

いらっしゃる皆さんは
「肩が凝ったり足がむくんだりするのよね」
「朝からこうやって足を綺麗にしてもらって天国だなぁ」
「家のがれきの片づけをしなきゃいけないんだけど、今日は腰が痛いからお休みにしたよ」
「最近はもうこの生活に慣れて、夜は割とよく眠れるようになってきた」
など、様々なお話をしていかれました。

足浴の間は比較的リラックスした表情を見せる方が多く、
隣の席になった方々がお互いに話をする場面も見受けられました。

足浴が円滑に始まったのを確認し、
足浴ブースから4~5mほど離れた場所に机を借りてキーボードを置きました。
足浴ブースと医療相談ブースに近く、明るくて人通りがあり、
テレビからは適度に離れた場所でした。

最初に足浴を終えた男性がキーボードの前にやってきました。
会話をしながら、美空ひばりや千昌夫を弾いてみました。
次に洋楽や映画音楽にうつり、「ムーンリバー」を弾いているところで
5歳くらいの女の子がやってきました。

「何か好きな歌ある?」と聞きましたが、
もじもじしながらはにかむだけで返答はありませんでした。
しかしお父さんと思われる方と一緒に、何曲か聴いていきました。

足浴は人手が足りているようで、
チームの方から「高校生にこっち(音楽)に入ってもらおうかと思うんだけど
どうですか?」と声をかけられました。
快諾すると、じきに男子高校生二人が隣にやってきました。

「歌は好き?」「好きです!」
「じゃあ一緒に、子どもも大人も知ってるような歌を歌おうか」
相談して、「翼をください」や「世界に一つだけの花」を歌いました。
歌う二人の高校生の表情は明るく、エネルギーに満ち溢れていました。
終わるたび、前で聴いてくださっている数名の方々が拍手をされました。

次に、小学生の女の子が来ました。
「なんでも弾けるの?」「私が知っている曲なら弾けるよ」
「これ(歌集)見ていい?」「どうぞ」
「・・・AKBは入ってないの?」「うーん、AKBは入ってないなぁ」

「これ、古い~!」
(歌集には2000年代の曲まで入っていたのですが、
確かに小学生にとっては古かったです)

「AKB何か弾ける?」「ヘビーローテーションのサビなら・・・」
「じゃあそれ弾いて!」

記憶を総動員して弾きましたが、やはりサビが限界でした。
女の子は他にも嵐やGReeeeNをリクエストしたり、
鍵盤を弾いて遊んでいきました。

その後も、目の前の椅子で座って音楽を聴いてくださる方、
私の顔を見ながら通り過ぎていく方の前で、
弾いたり歌ったりして時間は過ぎていきました。

音楽チームの高校生は途中でメンバーが入れ替わり、
終わりの方では往診を終えた医師の先生が加わりました。

「次は上を向いて歩こうなんかどうですか?」どこからか声があがり、
上を向いて歩こうを弾き始めました。
医師の先生は手拍子を始め、周囲にいた看護師さんたちも歌に加わり、
私の周りは盛り上がり始めました。

その盛り上がりの一方で私は
「上を向いて歩こうなんて、そんな露骨な応援ソングが本当に嬉しいのだろうか?
支援者側が勝手に盛り上がっているだけではないのか?」という不安が
ふと頭をよぎりました。

しかし始まった音楽は止まらない。
歌ってくださる方々のパワーに圧倒されながら音楽は進んでいきます。

恐る恐る前を見ると、手元で一緒にリズムを取っていらっしゃる方が見えました。
曲が終わると、周りからすかさず拍手が。
避難者と支援者の空気は、不思議と一体になっていたようでした。

途中から、少し離れた場所に日本人でない方々が座っているのが
見えていたのですが、後から聞くとブラジル人の方々だったそうです。

彼らも私に目を合わせて拍手をしてくださっていました。

11時40分、片付け開始。12時には避難所を出て病院へと戻りました。

(塩竃市 被災地支援レポート(4)へつづく)
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